OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

Peach航空の一人勝ちの仕組み「Peachのやりくり」

今日は立ち読みした本の中で、「Peachのやりくり」という本があった。
彼らは競合ひしめくLCC業態で、一人勝ちの状態を保っている。なぜそれが可能だったかを説いた本だ。
 
まず、Peachでは関西国際空港を発着拠点にしているため、24時間対応の滑走路で対応できる。だから運航率も99%と、他の大手航空会社を抑えて日本で一位になっている。関西は東京や沖縄などの人気観光地にいける中間地点だ。だから、「日帰りでディズニーにいきたいわぁ」「5000円くらいで」みたいなシビアな要求をしてくる客のニーズをうまく取り込めれば、航空機を「電車のように」使ってもらえる可能性がある。現に、沖縄でサーフィンをしたり、京都でジョギングするのに通うためにPeachを使う例もあるようだ。このように、移動のハードルを下げることがLCCの本質として、誰が使いたがるかという部分を考え第四の顧客層として取り込めたことが成功の理由になる。なんだかTrabelokaみたいだ。
 
次に、他業種からの転職を圧倒的に受け入れていることだ。
こうすることでアイデアがいろんな方面から出てくる。例えば看護士出身であれば救護オペレーションの改善を、旅館の女将なら接客指導を。本来ならコンサルを入れるところを、社員の工夫で解決する。ウナギが食べたいと言われればナマズで代用して提供したり、手荷物重量計を市販の体重計で代用したりなど。
 
これは多様性というものをうまくマネージできた事例なんだろうなぁと思う。同じ考えを持った人があつまると、スピード感があうんの呼吸で生まれるが、問題が起こったときに新しいアプローチが生まれない。少ないリソースで他の航空会社に勝負するのではなくて、別の軸で戦うようにする。多様性をうまく組み込めばきっと生き生きした組織になるんだろうなぁ。