OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

アプリを開く習慣に疲弊して、「アンチホーム画面」になっている話

最近マーケティングに携わりながら、生活をしている人の行動が変わり始めたな、と思うことが多々ある。 何を隠そうアプリメッセージをアドバイスしている僕自身が全てのアンドロイドプッシュ通知を停止したのだ。 だいぶ常識になりつつあるのだけど、アプリ…

アトピーの治し方 を読んで

誰の著者かチェックし忘れてしまったけど、アトピーの本を読んだ。 以下のリンクにもあるけど、アトピーを結構社会学的に捉えているポイントが面白かった。 - 本来ステロイドを重症度に合わせて処方することで完治させることができる(ただし、塗る作業など、…

ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング を読んで

以前ビジネスコミュニティについての備忘録を書いたけれど、今回はそれについての気になっていた本を読んでみた。 https://dachilion.hatenablog.com/entry/2019/08/07/025133 著者の小島さん曰く、コミュニティは「誰もが知りたい」ことがあって初めて成り…

掏摸 中村文則著 を読んで

中村文則の作品は「教団X」より2回目。 本作品の書評でいいなと思ったものを末尾に載せているのだけど、この著者は徹底的に「悪」と言うものを考察しようとしている。 主人公はスリを行うことで、常に木崎の支配下にいる。そして木崎の支配下に入ってスリを…

自分のことは話すな 仕事と人間関係を劇的によくする技術 を読んで

誰かと雑談をしようと思わない、雑談をする理由がわからない、と言うタイプが僕だ。 なので読んでみたのだけど、あまり得るものが少なかった。 本書は自分の話を延々聞かせたとしても相手との距離が縮まる訳ではないから、話をきくというスタンスでいよう!…

ロジカル・セリング―最強の法人営業 を読んで

営業を実践する時に、まず何を考えるか。普通のマネージャーだと、商談数×クロージング率(期間内)で計測しようと思うのでは無いだろうか。 だけど、実際には、インサイドセールスとフィールドセールスでかなり役割が変わっていることがほとんどで、期間内…

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール を読んで

Hookedモデルについて、以前読んだのに書評にまとめていなかったので、今読んでいく。Hookedは人間の習慣をフックにして、ユーザーのサービスへの定着を促していくマーケティング手法だ。 例えば色んな指標が存在するのだけども、本書にも紹介されているのが…

SHIFT:イノベーションの作法 を読んで

本著を読んだのは去年インドネシアにいた時。 その時はBizdevの責任者だったわけで、今みたいにProduct Marketingやイノベーションに関わるとわかってから読むと全然見え方が違うのね。すごく面白かった。 本書で言うShiftとは、商品や機能の既存のバイアス…

発想を事業化するイノベーション・ツール を読んで

本書もイノベーションツールの文脈で読んだ。 具体的な手法やステップが網羅的かつ詳しく説明されていたので、非常に参考になった。僕の今の問題意識は、BtoBにおけるイノベーションの発見方法だ。さてそれを行うためには、どんなプレゼンを経営陣に行うべき…

101デザインメソッド ― 革新的な製品・サービスを生む「アイデアの道具箱」を読んで

今プロダクトマーケティングに携わっているので、本著のようなアイデアを発見したり、整理する手法をまとめてある本は興味があって読み出してみた。 結論、すぐ使えそうな方法論はあまりなかった。本著ではイノベーションを実行するための方法論がたくさん書…

ソサイエティ5.0の構想

内閣府からソサイエティ5.0が提唱されていたので、取り上げておきたいな。 狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が…

ネクストシリコンバレー 「次の技術革新」が生まれる街 を読んで

インドジオ・プラットフォームズにFacebookが出資すると発表された。 インドに展開している食料品店ジオ・マートなどで決済が利用できたり、音楽をダウンロードができたりなど、いわゆるスーパーアプリ展開をFacebookの持つWhatsappなど通じてできるようにな…

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論(宇多川元一) を読んで

Newspicksが編集やっている本の中で一番面白い本だった気がするなぁ。 本著は個々人に固有で存在する「ナラティブ」にまつわる問題について、どうやって解決に近づけるのかを説いている。ナラティブとは、いわゆるモノの見方や考え方の言い換えで本著では考…

Googleの未来都市「IDEA」ようやく知る

トロントで住民に向けたスマートシティを提供しようというGoogleの構想がマスタープランとして提出されている。このコンセプトは、エストニアの情報管理の思想にも共通するのだけど、「2度と同じ情報を聞かない」という都市運営を企業が担おうとしている訳…

日経BP「ビジネスを変える100のブルーオーシャン」を読んで

ビジネスを変える100のブルーオーシャンをざっくり舐めて読んだ。正直BtoBへの技術革新に触れていないので、全然イノベーションについて網羅されていない気がするけど、以下気になったトレンドについてマーケットインとプロダクトアウトの2つの側面から検討…

市谷聡啓「カイゼン・ジャーニー」を読んで

この本でも沢山のノウハウが詰まっていたが、備忘録として、印象に残った点を3つだけ書いておく。 - ユーザーストーリーマッピングとバリューストリーミングマッピング 製品開発の根拠探す、すなわち何が課題かを振り返る場所が必要な時、2つの観点から探れ…

ダニエル・ピンク「When 完璧なタイミングを科学する」を読んで

この本は「When」に関するノウハウ本だ。 なので、いかに要点をいくつかまずは書いておきたい。 - 午前中に集中できる時間がやってくる。午後にひらめきが必要な仕事を持ってこよう。(僕みたいな明らか夜型だと、夕方以降が集中のピークになるらしい) - 休…

日経BP「戦略思考の広報マネジメント」を読んで

広報を最近担当しているので、広報の基礎となる本を読んだ。 この本にある通り、広報とは企業の戦略をあらゆるステークホルダーにも浸透させていくコミュニケーションの窓口を担わなければならない。従来では、メディアとの関係構築・発信が主な役割とされて…

フィル・ナイト「Shoe Dog」を読んで ー企業のグローバル感度についてー

最近読んだ藤田田のマクドナルドが貿易の中で「輸入」で成功したとすれば、アメリカで「輸出」に金脈を見つけ出した事業者もあったことだろう。それがナイキだ。 創業者のフィル・ナイトはいろんな意味で異端な経営者だったんだろうな、と思う。 まず、メー…

Inspiredを読んで ー製品開発に関するインサイトー

製品開発に関してPMが担うべき役割を過小評価していたなと本気で反省した。 PMは製品開発に関するWhat とWhyを決める役割を担うのだけど、そのためには優れたユーザーエクスペリエンスが必要になる。そのためには以下のプロセスを踏むことが必須。 - プラン…

貞観政要のリーダーシップ ーサーバントリーダーシップを巡ってー

最近はサーバントリーダーシップという言葉が流行っている。 これはまさに李世民(太宗)が魏徴を側臣に迎え、唐の治世での様子を書いた「貞観政要」によく現れていて、ライフネットの出口さんの座右の書にもなっているようだ。一番まぁ理解しやすい思想は「…

藤田田「ユダヤの商人」を読んで

藤田田のユダヤの商人、読んでみて率直な感想は、反骨心にあふれているな。ということだ。ユダヤ人は契約や金勘定にに忠実で、その分身内の人間の結束に対して並々ならぬ信頼をおいている...それに翻って日本人は誰に対しても人情が通じると思っていて、外国…

製品開発項目評価について ースタートアップはどう優先順位をつけるべきかー

製品開発部に配属されて2ヶ月、MRD(市場要件定義)を試行錯誤の元に繰り返してきた。企業の顧客が100とかを超してくるのであれば、既存の顧客や新規顧客から新規機能のペルソナを絞り込み、MVP(最小機能製品)の定義を実施することは比較的メソッドが固まっ…

米国リーマンショックとコロナショックの違い

FP関根さんの米国リーマンショックに関する解説がわかりやすすぎたのでここにシェア。現在日本ではコロナショックとして株価が低迷しているけれど、リーマンショックは本質的には別物であると指摘している。 - 低所得者向けの投資商品を売り出し、住宅ローン…

向田邦子「あ・うん」を読んで 思いやりが必要な時代

しばらく前に小津安二郎の「秋刀魚の味」を見たのだけど、あれを見た時思ったのは、いかに日本は思いやりに満ちた国だったのだろう、と言うことだった。 嫁が嫁ぎにいくのを父が気にかけ、口聞をしてあげ、旦那が大衆娯楽に精を出すのを妻が支えていき、など…

スマートシティの現在地

スマートシティ構想について、日本で始まったのは2013,4年くらいで、この頃の構想は人口が少なくなる中で、中心都市でインフラを効率的に提供することを視野に進んでいたと思う。それがIotなどの推進の中で現実味を帯びている。 日本の各地でスマートシティ…

MoM and PoP Shop がコマースの主戦場

東南アジアでリテール部門での覇権争いは一層過激さを増しているのだけれど、特に謂わゆるMoMandPopStore、インドでいうKirana、インドネシアで言うWarungの動向は今後も目が離せない。 全世界のEC化率は10%を超えて来たけども、ショッピングやトラベルなど…

香港人権法とデモの動向が気になる

今日の香港人権法に関する記事が面白かった。 香港ではそもそも以下の3点により、デモが止まらない。 - 香港には選挙権がなく、行政長官は1200人の選挙委員で決まる。 - GDPに締める比率が対中国で以前より低くなっている。(20->3%) 本来雨傘革命も選挙権…

JDIの解雇と日本の有機EL市場

国内の大企業の凋落が浮き彫りになってきたなぁという印象的なニュース 「JDI元幹部が死亡 自殺か 5億7800万円着服したとして解雇」 JDIは以前僕のブログでも取り上げたけど、SONYや日立製作所などの共同出資で日本の液晶・有機ELディスプレイ事業を底上…

日本での人材採用

今の会社でも規模が200人くらいになり年間売り上げも10億以上な訳で、そろそろ大企業に分類されるような会社になりつつある。 東南アジアの採用と違って根本的に人材のパイが小さいから、いい人材を共通の指標で見て、確実に採用できるように逃さないことが…