OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論(宇多川元一) を読んで

Newspicksが編集やっている本の中で一番面白い本だった気がするなぁ。

本著は個々人に固有で存在する「ナラティブ」にまつわる問題について、どうやって解決に近づけるのかを説いている。ナラティブとは、いわゆるモノの見方や考え方の言い換えで本著では考えている。どうやって解決すれば良いかがわからないならそれは技術的課題になるのだけど、そもそもなんで解決しなきゃ、とか何をとかが個人でずれていることを「適応課題」と呼ぶそうで、人と人との課題はこちらに全て属する。

本著では4つのステップでこの人との関係を解決しようと提案している。

1. 相手との溝があることを知る

2. 向こう岸を見渡す(相手のナラティブを知る)

3. 背景に思いを巡らす

4. 溝を渡ってみる

大概問題が起こった瞬間に4.を行おうと考えるのが仕事の常。悩んでいる当事者もそうだし、仲介する人間もそう。「じゃあ〜してみたらいいかな」と言って、解決策を提案するけど、みんなにとってピンとこないことが結構ある。だけどピンと来ていなくても、言語化できないことがほとんど。でもなんかむかっとしたり、違和感があったりするけど、ちょっと怖い。

少し時間を使ってでも、特に相手が当たり前だと進めているナラティブはなんなのか、その背景はなんなのか聞いてみようと思うことが誤解を解く鍵になる。また、著者は相手との共通利害・共通課題を見つけることが解決に向けて大事だという。

 

「読む」「聞く」「書く」「話す」の順で人間のインプットは深まっていく。ではアウトプットはというと逆の順序で、「話す」(頭出し)「書く」(まとめる)「聞く」(それを元に要点を洗い出す)「読む」(深ぼる)のプロセスを反復的に行うことが必要で、特にナラティブの違いは「話す」と「聞く」の間に落ち込みがち。誰もがわかる形で「書く」ことがとっても大事なんだろうなって、思う。

また下のブログにもあるけど、各に得手不得手があるのが当たり前。それぞれ自分がどのスキルが足りないのかを知らなきゃいかんね。僕は「話す」がマジで苦手。

 

https://note.com/sumichan11/n/n8f122f790467

 

https://globis.jp/article/7234