OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

フィル・ナイト「Shoe Dog」を読んで ー企業のグローバル感度についてー

最近読んだ藤田田マクドナルドが貿易の中で「輸入」で成功したとすれば、アメリカで「輸出」に金脈を見つけ出した事業者もあったことだろう。それがナイキだ。


創業者のフィル・ナイトはいろんな意味で異端な経営者だったんだろうな、と思う。

まず、メーカーなのに、日本のタイガーの輸入代理店からスタートした点、一貫して日商岩井など通じて、日本から融資を得て成長し続けた点、ナイト自身はPwCで会計士をフルタイムでやりながら経営をし続けていた点など。

 

彼のエピソードでたびたび登場している「世界一周」のエピソードがあるけれど、ナイキはこの世界への敷居の低さを持っていたことが大きな強みだったのだと思われる。日本の円高が進んだ時んいそのリスクヘッジとして台湾やプエルトリコへの進出を企画したりなんて簡単に考えられることだろうか?当時そんなに海外を前提にビジネスをすることなんて簡単じゃなかったんじゃないかな。

この本の紹介文などで、「好きなことを続けることで成功すると言う勇気をもらった!」と言うようなコメントが多かったけど、本書はそんな簡単なことではないんじゃないのかな。

むしろ、そのキャリアが自分の学生時代やってきたことと稀有に一致しているからこそ、バウワーマンとか他の優秀な営業マンを捕まえられた訳で、やはり何を創業時に持っているのか、と言う部分がその後の成功に寄与すると思う。

最高のビジネスモデル・世界を前提に勝負できる経営者・優秀な営業や製品開発のブレーン。経営者の「世界の表彰台にナイキを」と言うスローガンの元に一直線に成長出来たのだろうな。大企業のビジネスモデルが絶対ではなく、付加価値を見つけられれば必ず付け入る隙はあるんだろうな。

 

それにしても、ナイキの厚底シューズが、東京マラソンの上位10名全員が着用するなど、今ちょうどナイキのシューズは世界的に手を付けられない状況にあるみたい。すごいな
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikazuomi/20200301-00165521/