OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

米国リーマンショックとコロナショックの違い

FP関根さんの米国リーマンショックに関する解説がわかりやすすぎたのでここにシェア。現在日本ではコロナショックとして株価が低迷しているけれど、リーマンショックは本質的には別物であると指摘している。

 

- 低所得者向けの投資商品を売り出し、住宅ローン会社はそれの債権を高い金利投資銀行に販売。投資銀行は高金利の利回り商材を手に入れられた。

- これを売るために1. サブプライムローン投資信託・インデックス商品に組み込む 2. 格付け会社にお金を払って格付けを操作する

- サブプライムローンは当初金利が安くても、年数経って金利が上がる仕組みで、住宅供給過多の事情もあり、住宅価格が下がる。短期金利も上がり、住宅が売れなくなることで、焦げ付いてしまった。

 

上記はグローバルな金融商品のやり取りの中で、金融システムそのものが欠陥を露呈したものだった。投資会社や格付けへの絶対的信頼を操作できるようになることで、恣意的に儲けられる仕組みだったから。また、これがアメリカ国内に止まらず不景気として世界に派生したことが問題になった。

 

ギリシャのデフォルトに際して、危機がおとづれた時も、このリーマンショックが遠因となって、国債不履行の引き金を引いてしまったと言われている。全ての資産の資産価値を透明に管理する仕組みがなかったし、喫緊で必要とされていなかったのだが、その透明性がなかったことが本質だったと言える。

 

コロナショックは上記のような、明らかなシステムの欠陥が起因したものでない以上、世界的な連鎖的な経済不安はいずれ治るので性質が違うのだけど、それでもなお、アジア通貨危機のようなケースもあるので注意しなければいけないと思う。

アジア通貨危機では、輸出主導型で儲けるようになったタイが、不動産を担保にして、海外からガンガン外貨を融資してもらっていたのに、景気が低迷し始め、かつ、ドルの通貨切り上げによりバーツの価値も上昇。(ドルペッグ制により)そのため、ヘッジファンド空売りを行うなど、各国通貨を売られまくり、暴落してしまった。

 

1992年でもポンドで同じ構図が起こった。日本では、今後の景気低迷の裏腹で通貨が安心だと言うことで過剰に資金が集まる節がある。ヘッジファンドにより、この価値の集中が一時的なものと判定されれば、一気にうり浴びせてトレンドを作ることもできたりする。そう言う意味で、今回は通貨に関する危機を起こすきっかけになりかねない。

 

いずれにしても、流動性がなくなったものが一気に流動的になる時には注意が必要だし、逆もしかりだ。日本のバブル崩壊公定歩合の引き揚げによって、流動性に不安が出た時に発生したものだ。

 

一見問題ないと思われるものでも、実は過剰投資が続いているカテゴリーとかあったりする。(例えばスタートアップとかね。。)

https://fincle.jp/asset_management/greece-economic-crisis

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%8D%B1%E6%A9%9F

https://www.youtube.com/watch?v=ULqXPVgIlTk