OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

発想を事業化するイノベーション・ツール を読んで

本書もイノベーションツールの文脈で読んだ。

具体的な手法やステップが網羅的かつ詳しく説明されていたので、非常に参考になった。僕の今の問題意識は、BtoBにおけるイノベーションの発見方法だ。さてそれを行うためには、どんなプレゼンを経営陣に行うべきか?

本書で最も参考になったのは、やはりジョブ理論に関する記述である。

人間の行動を「ジョブ」(達成しなければならないタスク)として記述し、それに対する「結果期待」(どんなアウトプットが欲しいか)を整理する。

「発見的再定義」というプロセスでは文字通り、特定のジョブ(JTBD)に関して、それに関連するジョブ・及び結果期待を全て記述する。(可能ならば要素同士の関係を図解し、対応関係を洗い出す。)それを全てステートメントとして優先順位をつけていく。


事業的な優先順位付け判定はRICEだったりとかが有効だとしていたが、例えば本著では以下の3つの優先順位判定軸を提案していたりする。

1. ステートメントが解決できる可能性(技術的に)

2. 実行しやすさ(社内的(Vision的)に通しやすいか。エビデンスはあるか)

3. JTBDに及ぼす影響(顧客の事業インパクト)

これらを軸にどれに着手すれば良いか決めていけば良さそう。

 

そして次には、着手することになるJTBDを「ジョブスコーピング」などの手法や「9つの窓」のフレームワークを使って、そのジョブが過去や未来のトレンドの中でどんなシステムを通じて解決されてきたかを整理する。
ジョブスコーピングでは、着手するJTBDに関して、事業の流れの中で再定義を行うことになる。

ここまでやって初めて、さて、どんな解決策が良いか...??と考え始めることができる。PMMの仕事は極論このマッピングに尽きる気がする。ソリューションではなくて優先するべきジョブを特定しなければならない。

 

その他にも超えなければならない観点は沢山ある。例えばジョブを解決することによる市場規模はどれくらいなのか。それが長期的に財務会計でどのような影響を及ぼすのか、など。そこらへんについても追求していろんなやり方を検討しなければならない。