OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

心理的安全性に関して

人間の心理的安全性についての考察のSlideShareが面白すぎた。
なるほど、心理的安全性については以下の4つに分類されるらしい。
- 無知だと思われたくない=質問しなくなる
- 無能だと思われたくない=弱みを認めなくなる
- 邪魔だと思われたくない=提案をしなくなる
- 否定的だと思われたくない=現状に対して意見しなくなる
部下の行動を司るのはマネージャーの行動が80%をしめると言われる。その中で最も大きいのが、部下の行動に関する無関心だ。人間は失うものを得るものより大きく評価する。だから、マネージャーが行動を取らないと「〜だと評価されたくない」という欲求を部下は持ち、実際に行動しなくなる。逆に積極的なコミュニケーションをしていれば、マイナスの評価を取り戻す心も持てる。
「でも大丈夫。前向きに変えて行こう」というメッセージと合わせて行動を促せることは大事だ。
心理的安全性にはプロセスがある。雑談と自己開示だ。
 
A 自己開示
=日常の弱み(もっとよく出来ること)にフォーカスを当てて、あえて共有する場所を作る。(最初でもいい/グループでもいい=ディスカッション)
=リーダーは、この開示を促すために自分から出来るだけ弱みを共有する。そして話しをできる空気を作る。
=会議は合意形成の場であるとともに、自己開示し、雑談できる場にしていく。
 
自己開示をする準備が出来ていない段階で、弱みを指摘しても、共有が出来ていないから同じ目線で話すことが出来ない。相手が自己開示をするマインドになって初めて、話し合いを持つことが出来る。
 
B 雑談
- SECIモデル=他人の暗黙知を共有し、内面化することで、雑談を促進する
- グループ内での心理的安全の促進。
 
個人の関係だけでなく、グループの中で、自分が存在を認められるのかは、自己開示に大きな影響を及ぼす。雑談やディスカッションは他人との知識の内面化を促し、集団の中での個人の振る舞い方を決めていくことになり、個人の立ち位置を定めることにもなる。
 
C 心理的安全の仕組み=HRT・受け止めと信頼・フィードバック
- 雑談や自己開示の場を集団で持つことで、チームにはHRT=Humility(謙虚さ)Respect(尊敬)Trust(信頼)の3つのバリューが宿る。優れたチームはこのバリューを持っているチームだと言われる。
- マネージャとの面談で、個人目標を立てる時に、面談を受ける側の学習/成長と一体であると言うメッセージを強く発信する。例えばOKRを設定し、定期面談では自分がどんな知識を・どんなマインドを持てたかを逐一振り返る。マネージャーはその個人に向いたプロセスに承認・アドバイスをすることで、お互いのHRTを強められる。
 
特にこの中で、雑談のプロセス、つまり集団の中での心理的安全の仕組み化という視点は非常に新鮮だった。
チームの中で意思決定から外れたり、意見が言えないと、なんだか阻害されたような気分になって、チームでの居場所がないように感じることはある。いくらマネージャーと良い関係を築いてもそれでは自分の役割を見出せない。この各個人が、与えられた期待に沿って行動し、それがチームという暗黙知を形成する過程は、個人だけでは絶対になんともならない。
 
全然関係ないけど、マネージャーは朝一に来て、夕方一番早く帰るのが基本と言われるよね。こんな小さな行動だけでも、チームの一員としてのマネージャーが集団に与える影響は大きいのかもしれない。一瞬で怠惰な空気・働きを強制する空気が作られて、伝播していってしまう。本当にマネージャーは一挙手一投足見られていると思って規律を持って動ける人が望ましいなと思う。