OldLionの備忘録

年老いたライオンは錆びない。狩りを続け、振る舞いは日々深みを増していく。 いつまでも自分を忘れず、狩りを忘れぬライオンでありたい。 そんなライオンになるための日進月歩。

インターネットとSaaSとAIの直線的発展

SaaSとインターネットの関係は一般的に誤解されているように思う。さらにいうと、AIが担うべき立ち位置についても、なんだか有識者含め、ふわふわした回答しか持っている人がいない。今日はそこを整理したい。
 
インターネットの本質は情報の共有と発信にある。
情報を集積して、それを需要のある人に繋げる、情報プラットフォーマーが沢山現れてくる。中古機械とか、料理のオススメの情報など。情報の共有するページ=広告枠として価値を考えるようになる。
情報に価値が出るので、大量の情報が現れると、それを取捨選択できるようにしなければならない。広告やコマースのオークションが生まれるのも、一番いい枠や商品をいい枠で買い取る情報だ。
質のいい情報だけにリーチできるように、また自分が発信者となるように、プラットフォームはパーソナル化・コモディティ化し、広告枠の面の種類が増える。FacebookやInstaやYoutubeTiktokなど。
 
インターネット革命とSaaS革命は同一線上にはない。:コンピューター革命の一貫
一方で、SaaSはインターネットソフトウェアそれ自体が、人間の行動を便利にしていく。当然オンプレミスで買い切りのソフトウェアは昔から多数存在した。だが、サーバーの仮想化を経ることで、サービスの利用は一気に身近なものになる。多品種の車のオートメーション化が進み、一般庶民に手に入れられるようになったのと同じだ。
そこでは、実際に手を動かす人間の、実際の行動が一部機械によって効率化されていく。
-BtoB :アグリゲーション(集積)・分析・施策・連携の機能が提供される。 
 便益:省力化・意思決定の高度化・リアルタイム・多様性
-BtoC :タッチポイント(行動・データの提供)での便益・意思決定の高度化・即時・他の機会との連携など
 
そこでは、課題に対してのより深い知見が必要になるため、フィードバックや顧客データが共有化された資産となる。
 
AIやIoTはSaaSを強化するアーキテクチャでしかない。今の所。
 
IoTはSoftwareが張り込むための、顧客との接点を増やしていく役割を担い、AIは顧客データを活用したより発展したソリューションを提供する。例えば顔認証システムなどでは、圧倒的な正確性・即時性・応用可能性が特徴になってくる。
AI自体がそれ自体が最適化された知能として動き出すのは、まだ早い。現在考えられているそれへの役割とは、特定の最適化された任務に対して、答えを出すだけだ。それ故に、SaaS事業者が要件定義しないことには、AIの活用可能性は広がっていかない。ロボティクスの技術というか箱があいまって初めてAI単体で複数の目的を持たせられるようになる。
その時にはまた、技術の先鋭化→コモディティ化→発展の道筋を辿ることになる。
 
 AIはソリューションの統合された統合知になり、最後は集合知になる
SaaSが担っているのは、インターネットのAI化に向けての過渡期となる概念だと思う。人工知能が置き換えるべき解決与件をソフトウェアベンダーが定義し、製品化して、APIによりお互いをつなぎこんでエコシステムを形成する。
進んでいくAI化は、そのエコシステムを実行する実行環境が現在のブラウザやOSというPaaSから切り離され、AIによる処理が自動化される実行環境に置き換わることだ。
今あたり前に使われているMacWindowsが全く違う人工知能バイスに置き換わるかもしれないし、ただ単にブラウザだけが変わるかもしれない。
何れにしても、今AIが担っているものは、これから始まるアーキテクチャの統合の序章にすぎないと思う。各々で最適化されたAIの回答を統合し、デバイスに落とし込むこと、もしくは意味を持たない無限のデータの処理を通じて人間の集合知を実現する方向に動くだろう。
 
前者は暗殺教室の渚みたい。後者はPhyco-passのシビュラシステムみたい。前者の可能性が高いんじゃないかな、となんとなくは思うんだよね。